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結婚について考える:結婚の豊かなイメージを思い描く

結婚のイメージを豊かにすることが大切です。「熟年離婚」のような一部の現象に目を奪われがちですが、これは大量定年退職する「団塊の世代」をターゲットにした売り文句なのです。定年を契機に夫婦の絆を見直そうという番組もつくられ、結婚生活をまっとうするための熟年男性向けのマニュアル本が書店に並んでいます。

結婚式がこの10年あまりで様変わりしたように、若い世代の結婚のイメージが変化しつつあります。団塊世代は、けっして先進的な世代ではありませんでした。戦後の男女平等教育を受け、恋愛結婚をして親の世帯から分離した「核家族」をつくっていきましたが、「男は仕事、女は家庭」という悪しき固定観念からは解放されませんでした。「熟年離婚」はまさにその集大成としてあらわれている問題のようです。若い世代に普遍化できることではありません。

結婚の豊かなイメージを思い描くためには、前の世代で起きている現象を過大視しないことが大切です。若い世代はつねに旧世代から批判の対象にされ、新しい芽はことごとく摘まれてきたものでした。その結果、女性の昇進など新しい動きが阻まれることもありました。しかし、現在では、「男は仕事、女は家庭」という図式が成り立たなくなり、能力のある健康な既婚女性はなんらかの仕事についており、今後、そういったことが普通になっていくことでしょう。

結婚のイメージを豊かにするためには、サラリーマン世帯の結婚だけでなく、自営業や農家の結婚など多様に考える必要があると思います。夫婦がともに働く自営業者や農家では「男は仕事、女は家庭」といった観念はありません。そうした考え方では、経営が立ち行かない状況なのです。各地域でまちづくりのリーダーを努めているのは、自営業や農家の女性たちです。地域によって差はありますが、女性の社会への参画は拡大し、女性抜きには商店街や地域産業がなりたたない状況が見られます。

結婚を考える場合、旧世代のサラリーマン家庭の事例だけを見て判断するわけにはいかなくなってきているのです。暮らし方が様々なであるように、結婚も多様なものです。多様な経緯をへて、結婚に辿り着いた多くの若者がいます。例えば、都会でのサラリーマン生活に馴染めず、田舎で研修を受け、就農した夫婦もいます。出会いの場は農業研修を受けた農場だったといいます。また、OLをやめて起業準備中に知り合った男性と結婚し、会社を共同経営している女性もいます。安定したサラリーマンやOLの暮らしと比べれば、収入も少なく苦労も増えたようですが、どの夫婦も幸福だといいます。結婚の価値を決めるのは、当人であり、幸福な結婚であるかどうかは、誰かの評価によって決まるものではありません。世の中の大勢を占めている人々の結婚観や体験だけにとらわれることなく、結婚のイメージを豊かに思い描く自由を大切にしたいものです。

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